書名 : 痛快!心理学
著者 : 和田秀樹
出版 : 集英社インターナショナル
価格 : 1300円+税
面白そうなデザインの心理学の入門書を読んでみました。
#読みやすそうな本のデザインで選んでしまいました^^)
↓(ビジネスは心理ゲームです)
というフリを入れましたが、この本は純粋に心理学の本です。
フロイト先生から始まった心理学の歴史や様々な心理学の種類があること
それら心理学の効果などを素人にも読みやすく解説してくれています。
MBA(経営修士学)にも「ゲーム理論」なるものがあり
ビジネスと人間心理は密接な関係があると言ってます。
だけどビジネス書は読むけれど心理学は全く知らないのが現実
そんな爺さんが読んだ感想は、とっても新鮮で面白かったです。
心理学は奥が深く学ぶべきものが多いです。
ハンディ版といっても420ページ・・・、なかなか読めません。
そこでちょっとだけ爺さんが記憶に留めたいと思った点を
まとめてみます。(備忘録です)
#・・・とここまで書いたのがおよそ1ヶ月前
どんな内容が書いてあるのか!!
#読むのに時間がかかって記事にしようと思ってはや1ヶ月
#結局大量に忘れていて記事を書くために丸ごと読み直し(笑)
「心理学のことを色々書いてある」って言えば殴られそうですが
爺さんは心理学ってものを、この本を読んで次のように理解しました。
心理学とは
行動や発言といった表層から「目に見えない心」というものを捉え
特徴や傾向を分析することで、「人の心の成長」に役立てたり
「心の病」からの脱出に利用できたりする人の役に立つ学問。
これが基本かなと
#なんだかそれらしく答えていますね^^)
まぁこれだけだと自分には関係ないと思うと感じるでしょう。
そこで「本日の格言」
人生は自分との勝負、自分っていったい何?と思ったら心理学
ところで心の構造を考えたことありますか?
心って何でできてるんでしょう?
脳みそでしょうか?シナプスでしょうか?脳細胞でしょうか?
電気信号の集合体でしょうか?生物の根源的欲望でしょうか?
フロイトの時代はパソコンなどないですが、「心」を現代風に置き換えると
パソコンがハードとソフトに分かれるように、脳にもハードとソフトがある
そして心とはソフトウェアのようなものである。
パソコンのソフトと違うのは、心のソフトの場合プログラムそのものは
触れることができず、心に思い行動された「結果」に対してしか、
人はアプローチすることしかできない。
「子供が色々なモノを触って、その親の反応から次の行動を考える」
大雑把に言えばこのようなことですね。
心理学と言えばフロイト先生が有名ですが、彼は心理学の祖なんですね。
フロイトが「人の心は千差万別だ」と発見したことから心理学は始まった
そうですが、それまでは「心はみんな同じ」、辛いときにはみんなが辛い
それが「心」だと思われてたそうです。
今聞くと不思議な感じがしますが、学問になるくらいだから、当時は
天動説から地動説にかわるくらいのインパクトがあったのでしょうね。
▽心の三層構造
初期のフロイト先生によると私たちの心は三層に分かれているそうです。
「意識」 :今考えていること
「前意識」:あとちょっとで思い出せそうなもの
「無意識」:完全に頭に浮かんでこないものトラウマなど
前意識ってのは面白いですね。寝言のようなものでしょうか・・。
▽心の構造論モデル
面白い考えがこれです。フロイト先生の打ち出した「構造論モデル」
これは正常な精神状態で考えれば素晴らしいモデルだと思いました。
「エス」 :欲望、衝動(あばれ馬と呼ばれています)
「自我」 :エスを律する心(騎手と呼ばれています)
「超自我」:エスと自我の両方が従う強いルール
フロイトによると心の構造を組み立てると正常な人の心のモデルは
このようになる。と考えられました。
なるほど「正常」であればそうかなとも思います。
もう少し詳しく書くと「エス」は、性欲、食欲、物欲、見得、好奇心などの
あらゆる行動の源になるものを示しています。
そして「自我」はそれを実現する能力や自制心を示しています。
物欲に対して「奪う」「交換する」「買う」など色々なアプローチを
とることを選べることが「自我」の例としてはあってるかな。
じゃぁ「超自我」はというと暗黙の強制事項を意味します。
親から植えつけられた道徳観や価値観といったもので、
男は強く、女はやさしく、王に逆らうな、神はいる、などですかね。
そしてフロイト先生は「自我を鍛えよ」ということで心の問題に
対してアプローチをしていました。
とまぁ本の序盤にあるフロイト先生についての爺さんの理解と
この本を読んで得られる知識の断片を書いてみました。
#書くと頭の中に残りますね。読んだだけだとすぐ忘れる(笑)
もうちょっと心に残ったものをまとめておきます。
▽心の相対性理論
フロイト先生から始まった心の探索は、いわば「個の心理学」でした。
人はどうあるべきか、そこに探求の重きをおく、哲学にも近い感じです。
心の病気を患った人にも「心はこういう構造なので自我を強くしなさい」
そして健康な人に戻りなさい。って感じだったのでしょう。
同時期に有名だったユング先生などは、先の「無意識」に特に興味が
あったようですが、これも個の心の中に対してのアプローチでした。
次の世代の心理学では、精神分析する側によって、心は変化する。
といった「関係性の心理学」というものになってきます。
「相手によって人の心がかわる」ということですね。
この辺でフロイト先生が否定され始めたそうです。かわいそうに・・・。
つまり同じ言葉でも実績のある人からの言葉は受け取られ方が違うし
声色や喋り方、質問の仕方、それによって人の反応が違うのだから
心理学、特に精神分析の世界では問いかける側の心も問われている。
こういった考えに進化していきました。
ツーパーソンサイコロジーと呼ぶそうです。
フロイト先生は精神分析をする人は、いつも同じ態度で決して
相手の心に踏み込んではいけないと教えていたのが決定的に
違いますね。
他にもシェーファー先生が「人生はストーリーだ」という説を唱えたり
ストロロウ先生が「組織化原則(行動原則をもつ)」という説を唱えたり
様々な考えがでてきます。
心理学の世界は哲学の世界に近いものがあるように感じました。
爺さんの感覚だと「憲法を哲学と呼ぶなら、法律が心理学」そんな感じです。
環境や人(つまり心)に応じて柔軟に使い分ける心理学と
世界の原則のような信念や考えの世界に柱をもつ哲学
そんな関係に近いかなぁと感じました。
本の半分も紹介してませんが、読みやすく書いていて新鮮な良書でした。
迷いや戸惑い、心に疑問があるときに読むとさらに面白いと思います。