さて、かってに一人で盛り上がる企業会計コーナー
第6話
P/L のそれぞれの記載項目が大体何を意味しているのか?
それを解説です。
#どっかに書いたの落ちてないかな?
■売上
まぁこれはわかるでしょう。売った額の総計です。
■売上原価
これは商品等の仕入原価、製造原価と呼ばれるもので
たとえばソニーさんのVAIOで言えば、部品代、塗装代
組み立て代、ソフトウェア代、OS代などがこれにあたり
本社の経理や事務の費用はこれに該当しません。
工場の電気代は工場の原価に相当しますが、この工場の
電気代も正確には工場で生産している場所の電気代は
工場の製造原価にあたります。
つまり純粋な仕入れに相当するものを当てはめればOK
製造ラインのアルバイトの人件費はここに入ります。
飲食店で言えば、厨房の人件費はこちらに入りますが
表でチラシを配っている人の人件費を製造原価には
入れないのが、建前上正確な表記になります。
■売上総利益(粗利)
まさに粗利、売上から原価を引いたもので、売るための努力を
無視した利益構造を見るには、これを見るのが一番です。
薄利多売かどうか?競争する企業と比べて生産効率が良いか?
このあたりのことが読み取れます。企業の基礎能力が伺えます。
■販売費および一般管理費(販管費)
これは、売るための営業費用や間接部門(人事や経理や総務)
などの費用を計上する場所です。ここの費用が多いということは
非効率的なビジネスであると思われがちです。
項目を大きく分けると、販売費用と一般管理費用という
「売る行為」と「運営する行為」の2つにわかれます。
販売手数料や運搬費、広告宣伝費、販売部門人件費
管理部門人件費、交際費、租税公課などが含まれています。
運搬費を仕入先が仕入原価に入れて一括計上する場合もあり
業態によっては運搬費は原価に含む場合もあります。
■営業利益
先の粗利から、販管費を引いたもので、売上から、原価を引いて
売るための費用や運営するための費用も引いて、ビジネスとして
どのようなバランスで本業を運営しているかが伺えます。
粗利が良くて、営業利益が悪いと、中間コストや販売が下手と
いうことになります。もちろん比較する場合は同業他社と比較
する必要があります。
同業でもマクドナルドと1食2万円のレストランでは利益構造は
違ってきますので、極力似ている業態の企業と比較して良いか
悪いかを判断する必要があります。
■営業外収益
さてここからが経営力が試される部分です。財務力とも言えます。
本業がレストランでもビルも自社ビルであれば、2F、3Fを貸し出し
してたりして、家賃などの本業と無関係の収益を上げる場合などが
あります。
他には余剰資金で、市場から株を買ったキャピタルゲインや配当
駐車場が余ったので貸し出し、倉庫の一部をレンタル、子会社の
配当、このような本業とは無関係に生み出される収益をここに計上
します。
勘定科目的に書くと、受取利息、受取配当金、仕入割引などですね。
ここの収益が本業よりもでるようになったら、登記した事業内容を
変更することになると思います。
■営業外費用
ここは営業外収益の逆で、本業のコスト以外の支出をこちらに
計上します。
勘定科目で言えば、繰延資産の償却費、支払利息、社債利息、
社債発行費償却、開業費償却、有価証券売却損などがあります。
■経常利益
ケイツネなどと呼ばれたりしますが、本業以外の利益と出費を
本業の実績に加え、会社全体としてのビジネスの利益力を
判断できる項目を経常利益と呼びます。
本業の浮き沈みが激しいビジネスなどは、土地や建物などの
不動産収入をベースにして安定化を図るなどする場合があり
本業外収入でリスクを分散化したりします。
また一方で事業で得た利益を税金で持っていかれないように
有価証券などを購入して、財務上のテクニックとして調整する
ことを見て取ることができます。
企業としての総合力はこちらを見ることになります。
本業で儲かっていても多額の借金があって、借り入れ返済
(営業外費用)が多くて、実際の利益が出ていないなどあり
特に長期の株式投資などで総合力を見る場合は重要な
項目として見られます。
■特別利益・特別損失
一度に書きますが、地震で倉庫が潰れた、台風で社用車が水没
このような特別な出費や、工場用地を売却したなどの売却益など
通常のビジネスの流れではなく突発的に発生した収益に関する
項目を計上します。
これは最終的に今期の利益はどうであったか?などに影響します。
短期の株式投資や社員のボーナスなどには影響する項目ですね。
■税引き前当期純利益(当期純利益)
本業の収益 > 財務上の収益 > 特別な収益 > 最終的な収益
このように利益を分解するのがP/L損益計算書ですが、その最終的な
利益を、税引き前当期純利益と呼びます。
ここが最終的な利益なのですが、この利益から「法人税金」を引き
さらに余った利益を株主に「配当金として支払い」、更に残った利益を
次の期の繰り延べ金として、次の自分自身の事業に投資するという
流れになります。
税引き前当期純利益 - 税金 - 配当金 - 繰り延べ金 = 0
ふぅ、酔ってるのでちょっと間違えているかもしれません。
ここまで読んだら、実際に自分の会社や知ってる会社の
IR情報などを読んで、P/Lを見てみましょう。
今までと違って見えると思いますよ。
#あくまでまったくお金のことを知らない職人さん向けなので
#普段から見ている人は、対象外ですよ(笑)
次回はもう少し、絵的にPLをあらわしてみます。
これがBSに繋がるんだよなぁ・・・って感じです。