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これまた、えぇ話や

デンマークのトマソン選手の話

「志通信」メールマガジン       2006.6 VOL.62

これまた心温まる話です。

↓リンク切れてたらこちらからどうぞ!


■W杯

世界中が熱狂するサッカーW杯ドイツ大会。

今号では、知り合いから教えていただいた
02年の日韓大会に出場したデンマークの
心温まるエピソードをご紹介します。
(少々長文です)


■デンマーク

デンマークは、84年欧州選手権初出場、86年W杯初出場、
日韓大会は2大会連続3度目の出場でした。
(今大会は予選敗退)

日本でのキャンプ地は、地元の熱心な誘致活動と
「日本のほぼ中心地であり、関空に近いから」
という理由で和歌山県に決定します。

キャンプ地での練習は、非公開が通例でしたが、
デンマークは初日から全ての練習を公開し、
さらに練習後には、
見学に来ていた地元のサッカー少年たちを招き入れて、
ミニサッカーや指導をしていました。

サインの依頼にも気軽に応じていたことから口コミが広がり、
初日はわずか数百人だった見学者が、
数日後には2~3000人へと増えていったそうです。

ある記者が、デンマークのオルセン監督に
「他の国は非公開で練習しているのに、いいんですか?」
という質問を投げ掛けると、
「我々の強さは、練習を公開したところで変わりません。
 絶対的な自信をもって試合に臨むだけです。
 もちろん試合は大切ですが、
 キャンプ地を提供してくれた和歌山の皆さんとの交流も
 大事にしたいのです。
 私だけでなく、チーム全員がそう思っています。」
と返事をしました。

また、食事のことを気に掛けていたホテルの支配人と料理長には、
「私達はホテルが用意される料理をご馳走になります。
 キャンプ地を決めた時から、食事もお任せしようと決めていました。
 選手も理解していますので…。」
と伝えました。

「他国の場合は、母国の食事を好まれるようですが…」
という支配人の言葉に対しても、
「他国は他国、我々は我々です」
とキッパリと返事をし、料理長に
「あなたに全てお任せしますので、よろしくお願いします。
 ところで、和歌山で有名な食材は何ですか?」
と問い掛けました。

料理長が、
「和歌山では、カツオという魚が有名です。」
と返答すると、監督は微笑みながら
「それでは、あなたが腕をふるって、
 そのおいしいカツオを私達に食べさせてください。」
と伝え、料理長はすっかりデンマークのファンに…。

また、監督だけでなく選手も同様の想いを持っていました。

最初の食事の際に、トマソンという選手が通訳に
「私たちは、食事の前に神への祈りを捧げるのですが、
 日本でも何かするんですか?」
と尋ねました。

通訳が、
「日本では、手を合わせて『いただきます』
 と言ってから食べるんですよ。」
と答えると、
彼は手を胸の前で合わせて、料理長の方を向いて頭を下げ、
それを見ていた他の選手たちも彼にならいました。

料理長は、食事の度に手を合わせる選手の姿を見ながら、
「日本人でも『いただきます』や『ごちそうさま』
 を言えない人が多いのに、ムチャクチャ嬉しかったですよ」
と喜んでいたそうです。

また、ある日のこと、練習後のサイン会で長蛇の列ができていたのですが、
トマソン選手の目の前に、一人の少年がモジモジしながら立っていました。

後ろの母親らしき人が、「早くしなさい」とせかしていたので、
トマソン選手が通訳を通じて「どうしたの?」と聞いてみたところ、
意を決した少年は、ポケットから一枚の紙切れを取り出して渡しました。

それは、学校の英語の先生が代筆したもので、
「ボクは小さい頃に、病気にかかって口と耳が不自由です。
 耳は聞こえませんし、話もできません。
 だけどサッカーだけはずっと見てきました、大好きです。
 特にデンマークのトマソン選手とサンド選手が大好きです。
 頑張ってください。」
と書いてありました。

トマソン選手はニッコリと微笑んで、
少年に「手話はできますか?」と手話で語り掛けました。

その「手話」に、少年と母親は驚きと戸惑いを見せていたのですが、
その様子を見ていた人が、
「ミスタートマソン、手話は言語と同様、国によって違うんですよ」
と説明しました。

トマソンは、通訳に
「彼と文字で会話をしたいので、手伝ってもらえませんか。」
と伝え、通訳は微笑みながら頷きました。

さらに
「後ろで待っている人達に、少年と話をする時間をくださいと
 伝えておいてもらえませんか」
という気遣いもみせました。

後ろで順番を待っていた中の誰一人として、
文句を言う人はありませんでした。

通訳を介して、少年とトマソンの『会話』が始まりました。
「君はサッカーが好きですか?」
「はい。大好きです。」
「そうですか。デンマークを応援してくださいね。」
「はい、もちろんです。あの一つ質問していいですか?」
「いいですよ。何でも聞いてください。」
「トマソン選手はどうして手話ができるんですか?
 正直、ビックリしました。」
「ボクには君と同じ試練を与えられた姉がいるんです。
 彼女のために手話を覚えたんですよ。」
と答えました。

少年は、その言葉(=文字)をまじまじと見つめていました。

トマソンは次のように言葉を重ねました。
「君に与えられた試練は辛いものだと思いますが、
 君と同じように、あなたの家族もその試練を共有しています。
 君は一人ぼっちじゃないという事を理解していますか?」
この言葉に黙ってうなずく少年を見つめながら、
「わかっているなら、オーケー! 
 誰にも辛いことはあります。
 君にもボクにもそして君のお母さんにも辛いことはあるのです。
 それを乗り越える勇気を持ってください。」

このやり取りを見ていた母親と周囲の人々は、
涙が止まりませんでした。
トマソンは最後に、
「ボクは今大会で必ず点を獲ります。
 その姿を見て、君もこれからの人生を頑張ってください。」
この言葉に、少年は初めて笑顔を浮かべ、
「はい!応援しますから、頑張ってください。」
と明るい表情で返答しました。
そして、サインをもらい、
少年と母親はその場をあとにしました。

母親は後日、
「あんなことまでしていただいて、
 私は、デンマークが日本と試合することになったとしても、
 デンマークを応援します。」
と語っていたそうです。

そして、トマソンは、少年との約束を守って、ゴールを決めました。
それも、4得点という大活躍でした。

和歌山県民は、国内の試合だけでなく、
韓国で行われた試合にも応援に駆け付け、
オルセン監督は記者のインタビューに、
「韓国での試合では、和歌山の皆さんの応援に勇気付けられました」
と答えていました。

結局、フランスと同じA組ながら、デンマークは2勝1分けで、
一次リーグを見事1位で通過したのです。

そして、迎えた決勝トーナメント1回戦。
場所は新潟スタジアム、相手はあのイングランドでした。

スタンドからは「ベッカム~!」という声援が多い中、
和歌山県民は、「頑張れ!、デンマーク」
と声を振り絞って応援していました。

結局、イングランドには、0-3で敗れてしまったのですが、
和歌山県民はデンマークのチームに誇りを感じていました。

帰国前には、宿泊先のホテルの計らいで
「デンマークお疲れさま!会」が開催され、
その会場には溢れんばかりの県民が駆け付けました。

その会場で、トマソン選手は、例の少年を見つけて近寄り、
「せっかく応援してくれたのに負けてしまってゴメンね」
と「言葉」で語り掛けました。

少年は、
「お疲れ様でした。負けてしまったけどカッコよかったです。
 それに約束通りゴールを決めてくれたから、ボクは嬉しかったです。」
と伝えました。

トマソンは、
「ありがとう。ボクが君と話ができるのは、
 これが最後かもしれないので、よく聞いてください。
 君には前にも言った通り、試練が与えられています。
 それは神様が決めたことなので、今から変えることはできないんです。
 ボクが言いたいこと分かりますか?
 神様は君に試練を与えたけれど、その代わりに、
 いつか必ずゴールを決めるチャンスがやってきます。
 そのチャンスを絶対に逃さないでくださいね。」
と、気持ちを込めて伝えました。

この言葉に、少年は満面の笑顔で「はい」と返事をし、
最後に2人は仲良く写真に収まり、別れを告げました。

この写真が少年の宝物となること、
そしてトマソンとの出会いによって、
少年が『前へ進んでいくこと』は間違いないでしょう。
この少年と心優しきトマソンに光あれ…。


■「優」勝

「W杯は、戦争だ」と表現されることがあります。
確かに、「母国の代表として威信をかけて戦う」
という意味ではその通りかもしれませんが、
場外でのサポーター同士のトラブル等は、とても悲しい出来事です。

たくさんの国からたくさんの人が集まる折角の機会です。
優勝の「優」とは、テクニックや戦術に優れているというだけでなく、
「優しさで勝つ」ものであると捉えて、
地域の方や他国の方とのグッドコミュニケーションを
大切にしていただきたいですね。

日本代表チームの試合以外での活躍にも期待したいと思います。

そして、私達も日常の中で「優」勝しましょ♪

うーん、あらためて『優』って良い字ですね。


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